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IBM・ヤフー裁判に学ぶ「国税の伝家の宝刀」 同じ行為計算否認でも真逆の結果に!

平成28年6月15日号

IBM・ヤフー裁判に学ぶ「国税の伝家の宝刀」 

法律的にはセーフだが、税務署長の判断でその税務処理を否認できる、それが「国税の“伝家の宝刀”」である、法人税法132条の「同族会社の行為計算の否認」だ。組織再編については、枝番の同132条の2「組織再編にかかる行為計算の否認」がある。

両方とも、滅多に適用されることはないが、適用基準などは一切示されていない。最近、これら2つの適用について、興味深い争いがあった。それが、IBM事件(平成23(行ウ)407)とヤフー事件(平成27 (行ヒ)75号)だ。

2つの事件の違いは、IBMには法人税法132条、ヤフーには法人税法132条の2が適用された点。

IBMに適用された法人税法132条は、同族会社に対して、法人税負担を「不当」に減少させる結果となった場合、税務署長の判断で法人税の課税標準もしくは欠損金または法人税の額を計算することができるという規定。条文の「不当」の解釈については、「経済取引として不合理・不自然である場合」(最高裁昭和53年判決)という判断基準がある。

一方、ヤフーに適用された法人税法132条の2は、組織再編における租税回避に的を絞った包括否認規定。組織再編税制の導入時(平成13年)に、乱用のペナルティとして創設された。132条の枝番として設けられたことから、「不当」の解釈や適用基準も同じなのかこの裁判では注目が集まっていた。

最高裁判決では、ヤフー事件は上告棄却(ヤフー敗訴)。IBM事件は国側の上告不受理(IBM勝訴)とした。注目は、ヤフー事件について最高裁が、「通常は想定されない組織再編の手順や方法に基づいたり、実態とは乖離した形式を作り出したりするなど、不自然なものであるかどうか」、「合理的な理由となる事業目的その他の事由が存在するかどうか」と、租税回避の判断基準をはじめて示した点。最高裁では、132条と132条の2はまったく性格の異なる規定であると判断している。

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