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役員に対する渡切交際費の取り扱いは
慎重な対応の上に十分な注意を!
平成28年6月6日号
従業員に対して支給する渡切交際費については、毎月定額で、かつ継続して支給する場合には支給を受けた者に係る定期の給与として取り扱い、臨時的に支給したり不定額に支給するケースでは賞与とされる。いずれのケースでも支給した法人の損金に算入することができる。
一方、渡切交際費が役員に対して支給される場合には、その取り扱いは大きく異なる。
つまり、役員に対して毎月定額に支給されるケースでは、定期同額給与となり、通常の役員給与と合算した上で過大役員給与に当たるか判断され、過大と認定された部分の金額については損金算入が認められないことになる。
また、それが臨時に支給したり、毎月不定額に支給されるものであれば、役員賞与に該当して、損金には算入できないので注意が必要だ。
たとえば、接待の機会が多くなる年度始めや年末年始の時期にあたり、役員に渡切交際費を支給するケースでは、その金額は支給を受けた役員の臨時的な給与として扱われ、その内容を事前に税務署長に届出(事前確定届出給与)していないかぎり、損金の額に算入することはできない。
このように、事前確定届出や定期同額給与に該当しない役員給与とみなされる場合には、それが会計処理上の費用であっても法人の損金には認められないことになる。
また、消費税法上においても、役員に支給する交際費のうち、それが給与に該当するものは課税仕入れにならず、給与に該当しないものであっても、課税仕入れに係る帳簿及び請求書等の保存がないものについては、仕入税額控除の対象外になる。
さらには、それが相当の理由なく、金銭その他資産を渡した相手方の名前や住所、その内容が帳簿(伝票や元帳、領収書等)に記載されず、使途秘匿金に該当すると判断された場合には、役員に対する給与処理は取り消され、損金不算入となり、その上に特別課税として支出額の40%の法人税額が追徴されるので、役員に対する渡切交際費の取り扱いは十分な注意が必要になる。
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