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相続税評価額高額時は他の合理的評価可
審判所鑑定評価で一部処分取り消し
平成27年5月25日号
国税不服審判所はこのほど、財産評価基本通達に定められた評価方法により算定される価額が時価を上回る場合、同通達の定めにより難い特別な事情があると認められるから、他の合理的な評価方法で評価することが許されるとの判断を示した。
《要旨》
原処分庁は、請求人らが相続により取得した土地(本件土地)の相続開始時(本件相続開始時)における価額は、財産評価基本通達(評価通達)による評価額(原処分庁通達評価額)によるべきである旨主張し、請求人らは、本件土地の時価を評価するに当たり評価通達の定めにより難い特別な事情があることから、請求人らが依頼した不動産鑑定士による鑑定評価額(請求人鑑定評価額)によるべきである旨主張する。
しかしながら、本件の場合、請求人鑑定評価額は、開発法につき都市計画法第33条《開発許可基準》に関する審査基準(本件審査基準)を満たしていないなどの理由により、本件土地の本件相続開始時における時価とは認められないが、他方、本件土地の開発に際しては、袋路状道路の敷設は認められないなど特殊な制約が本件相続開始時にあったことから、当審判所において不動産鑑定士に鑑定評価を依頼し、その評価額(審判所鑑定評価額)を検討したところ、開発法につき本件審査基準を満たしているなどの理由により、本件相続開始時における時価として妥当なものと認められた。
そして、評価通達に定められた評価方法により算定された価額が時価を上回る場合には、評価通達の定めにより難い特別な事情がある場合に該当するといえ、その場合、他の合理的な評価方法により評価することが許されると解されるところ、原処分庁通達評価額は審判所鑑定評価額を上回るものであることからすると、本件土地の価額を評価するに当たっては、評価通達の定めにより難い特別な事情があると認められる。したがって、本件土地の本件相続開始時における価額は、審判所鑑定評価額とするのが相当である。
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