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平成26年9月25日号
国税不服審判所はこのほど、源泉所得税の納付が法定納期限後になったことについて、真に納税者の責めに帰すことのできない客観的事情があったか否かを巡り争われた事案に関して、原処分庁の処分を全面的に取り消す判断が示された。
今回の争いは、契約途中に店舗等の賃貸人が、「居住者」から「非居住者」に変更となったことに伴うもの。非居住者となった日以後に支払った賃借料は所得税を源泉徴収しなければならないが、賃貸人からの連絡の遅れ等から、賃借人である請求人は、源泉所得税を法定納期限後に納付した。これに対して、原処分庁は不納付加算税の賦課決定処分を行った。請求人はこの処分を不服として審査請求に及んだものである。
《裁決要旨》 不動産の賃貸借等において、賃借料の支払の都度、居住者・非居住者の別を確認することを義務付けた明文の規定はない。また、本件賃貸借契約に係る取引のように、賃貸人等との接触をほとんど必要としない取引について、そのような煩雑な手続きを採ることが必要であるとするのは合理的でない。
請求人が本件賃貸人と接触した事実は認められず、また、月々の賃借料の支払が契約締結時から一貫して賃貸人口座に振り込まれており、支払に際して賃貸人から領収書等住所がわかる何らかの書類が交付された事実も認められないことからすると、請求人は、賃貸人が非居住者になったことを直ちに知り得る状況になかったと認められる。更に、請求人は、店舗等の管理人から「非居住者に対する源泉徴収の免除証明書」の提示を受けた後、源泉所得税の納付手続きをとっており、連絡後遅滞なく納付する意思を有していたものと認められる。そうすると請求人は、賃貸人が非居住者となった事実を直ちに知り得ていれば、当然、法定納期限内に納付が行われたであろうことは十分推認され、納付が納期限後となった原因は、賃貸人からの連絡の遅れにあると認められる。
以上のことから、請求人には、真に納税者の責めに帰すことのできない客観的な事情があったというべきであり、不納付加算税の趣旨に照らしても、なお、不納付加算税を賦課することが不当又は酷になる場合に該当するというべきである。
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