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平成26年8月25日号
東京高等裁判所はこのほど、個人が法人に市場価格よりも高額で譲渡した上場株式の収入金額のうち、市場価格を超える部分の金額は、譲渡所得ではなく一時所得に該当するとの東京地裁の一審判断を支持する判決を行った(26年5月19日東京高裁判決言い渡し・25年(行コ)第391号、原審・25年9月27日東京地裁判決・24年(行ウ)第229号)。
《判決要旨》
有償の譲渡が行われた場合に譲渡所得の課税対象となるのは、資産の譲渡の対価たる性格を有する金額と解される。そのため、資産を有償で譲渡しても、譲渡の対価たる性格を有しない金額は、譲渡所得の課税対象とならない。上場株式の場合、その譲渡価額に譲渡の対価たる性格があるのか否かは、市場価格、取引の動機ないし目的、価格の決定の経緯、価格の合理性などの諸点に照らして判断すべきと解される。
これを本件についてみると、原告は、自己の借入債務の解消及び相続税の納付資金を調達する目的で本件譲渡を企図した。当初、原告は1株1,000円での譲渡を希望したが、税理士から市場価格を大きく上回る価格では課税上問題がある旨指摘され、本件株式のみなし取得価額(568円)を基準に取引価格を550円とした(2回にわたる譲渡時の市場終値は、3月が290円、11月が426円)。
本件譲渡が行われた際の買主であるA社の代表取締役は、原告の妻などであったが、原告はA社の実質的なオーナーとして、同社の経営上の意思決定に強い影響力を有し、A社における本件株式の取引価格の決定には原告の意思が強く反映されたことが推認される。また、当時債務超過の状態にあったA社に、多額の借り入れをしてまで市場価格よりも高い価格で本件株式を購入すべき事情があったとは認められない。
以上のような点を総合勘案すると、譲渡の対価たる性格を有するのは、本件取引単価のうち市場単価の部分に限られ、市場単価と取引単価の差額(総額3億3,057万円)は、A社から原告に贈与された金員として、一時所得に該当する。
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